GOLDWorksを立ち上げたのが2019年で、匠ベアリングをリリースしたのが始まりでしたが、同時にリールのオーバーホールもお受けすることになりました。入庫するリールは、やはりシマノやダイワのモデルがほとんどで、アブのリールは本当に少ない台数で、20−30台に1台というレアケース。その中でも、モラムはもっと希少でしたが、入庫するリールの共通点は、クラッチのベタつきや巻いている時のゴリ感がかなり目立つという事。
すでにパーツの供給が終了しているモデルのため、お預かりの際には、パーツ交換ができない旨を事前にお伝えしているものの・・・。内部のベアリングやケミカルなどを駆使して仕上げても、やはりメインギアの摩耗がひどい個体は、少なからずゴリ感が残存します。クラッチのベタつきに関しても同様です。毎回、後ろ髪を引かれる気持ちで送り出していました。
モラムの施工台数がちょうど200台を超えたあたりで、ようやく決意が固まりました。
「そうだ。モラムのパーツを作ろう」
そうすれば、最高のコンディションで弊社から送り出すことができる!言い訳を先に伝えなくて済む!
何よりも思い入れのあるリールでしたが、なかなかリールパーツの製作には踏み切れなかったのが事実です。7期目に突入するタイミングで、ようやくリリースを迎えることができました。
KDWの欠塚社長や、やろうぜ兄弟のキーさんなど、色々な職人様にご協力頂きながら、1歩ずつ開発を進めております。そして、パーツ開発・検証のために、Boat&Cruiseの関口氏からは、貴重なモラムを大量にお貸し頂き、弊社には貴重するぎAE74のレッドまでプレゼントしていただきました。現段階では、クラッチとメカニカルノブキャップですが、ビス、リテーナー、ドラグ、最終的にはスプールまで、全て国内製造でラインナップする見込みです。
自身一人では絶対に成し得なかったプロジェクトですが、たくさんの方々にご協力頂きながら、より良い製品をお届けいたします。ぜひご期待くださいませ。